ミュージカル「サンセット大通り」を観た!

ちょっと時間が経ってしまいましたが、7月5日(日)に東京赤坂にある「赤坂ACTシアター」で、ミュージカル「サンセット大通り」を観ました。

 

このミュージカルについては、いろいろ書きたいことあるので、語りますよ~♪

 

ずっと観たかったんです!大学生の時に舞台が好きになり、演劇に関する本を読み漁るようになった時、「これは観てみたい!」と思ったのが、この作品。

 

しかし日本では上演されていないので(某劇団が上演するという計画があったらしいですが、主演される予定だった方が亡くなったので、立ち消えになってしまいました)、海外のCDを買って頭の中で妄想を膨らませていました。

 

あらすじは、こちらをご覧ください。

「サンセット大通り」(映画)ウィキペディア

映画の紹介ページですが、ミュージカル版は映画版と一緒です。

海外公演のCD

購入した海外版のCD。

 

左側がロンドンのワールドプレミア版(主演:パティ・ルポン)

 

右側がアメリカ版(主演:グレン・クロース)

 

ちなみに、ロンドン版には幕開けから終幕まで、全ての歌詞、ト書きなどに日本語対訳がついていて、おススメ。CDを聴くだけでも、一度聴いたら忘れられないような音楽に圧倒されます。

そして、今回の公演のプログラム。

 

初めて作品を知ってから、約20年。

やっと観ることができました。

 

私が観た日は、ノーマ役が濱田めぐみさん、ジョー役は柿澤勇人さん。

 

最初は「ノーマ役に濱田さんは若すぎるのではないか?」と心配でした。

 

どうしても原作映画やCDから、「ノーマは年配の女優」というイメージがあったからですが、実際に観劇したら、そんな心配吹っ飛びました!

 

以下、若干ネタバレ含みます。

同じような境遇で惹かれあうノーマとジョー。

濱田さんのノーマは、とても繊細でクレバーな感じ。プログラムでも、ご本人が役作りのことについて書かれていましたが、おそらく「自分が必要とされていない」という現実を分かっているように見えました。

 

だからこそ、過去の栄光にすがろうとする姿が痛々しかったのですが、ただ過去にすがっているだけでなく「なんとかまた仕事をしたい」という必死さが感じられて、ちょっと応援したくもなる存在でした。

 

「なんとかまた仕事をしたい」という気持ちは、ジョーも同じで。自分の境遇にいらだちながらもノーマのそばにいたのは、おそらくそういう気持ちが理解できたからなのかもしれません。

 

ラストシーンの前、「50歳は悲劇じゃない。20歳を演じようとしなければ」というジョーのセリフがあります。

 

海外のCDを聴くと、最後のトドメを刺す様に冷たく突き放しているのですが、柿澤さんは優しく諭すように語っていたのが、とても印象的でした。

原作でも有名なラストシーンの衝撃

そして、ラストシーン。自分自身へのいら立ち、焦り、夢、現実への妥協、プライド、執念、愛情、弱さ、世間の冷たさ、いろんなものが混沌となって押し寄せてきました。

 

階段を音楽とともに優雅に降りてくるノーマは、とても不気味でしたが、同時に悲切なくて、そしてこのミュージカルの中で一番美しく見えました。

 

もうね、それを観るだけで涙が止まらなくて。何だか「やっとみんな前に出られて良かったね」と思っちゃったんです。

 

それくらい圧倒されましたし、会場の空気も感動で止まっていました。

 

このミュージカル、下手をすると、「忘れられた大女優が年甲斐もなく色恋沙汰にのめり込んでしまった痛い話」という安っぽいゴシップ話に終わってしまいそうなのですが、それだけでなく、どこか切なさや悲しさ、愛おしさみたいなものも感じられました。

一見の価値あり。再演希望!

このミュージカル、映画音楽的なスケールの大きな音楽と、主役のノーマの存在感もあって、一見の価値ありです。再演希望!

ただ、ノーマ役の方を見つけるの難しいかもしれないですね。

個人的には、もう少し年配の方で観たい気もしますが…。