劇団四季のミュージカル「ライオンキング」の札幌公演を観てきました!
写真は、今回の札幌公演のプログラムです。
あらすじや作品については、こちらをご覧ください。
人の想像力&創造力の素晴らしさを感じる作品
日本では1998年から劇団四季が上演していますが、ミュージカルを観たことがない人も「心配ないさぁ~」のフレーズとかは知っていますよね。もう国民的なミュージカルと言っても良いのかもしれません。
私が初めてライオンキングを観たのは、東京公演が開幕してすぐ1999年のお正月でした。
キリンやチーター、ゾウ、シマウマなどが次々現れるオープニングの凄さは、事前にいろいろ噂には聞いていたのですが、実際にそれを見ると圧倒されてしまい、始まって3分くらいで感動して泣いてしまったのを覚えています。
その後も草原の描写、言葉は聞き取れないけど何となく意味が想像できる狩りの場面やラフィキの言葉、ヌーの暴走、クライマックスでのムファサの亡霊の場面など「スゲェ…」の連続でした←全然説明になっていませんが…。
このミュージカルの凄さを一言で表すと「想像力」だと思います。
動物をマスクやパペットで表現した演出家の想像力(創造力)の凄さ。それは写実的でない分、観ている人の想像力が刺激されます。
舞台装置に関しても、ほとんど全ての仕掛けが理解できて、しかもローテクに見える…おそらく裏ではものすごくハイテクなのでしょうが…ために、「え!こんな風にするんだ」という驚きがたくさんあり、引き込まれてしまいます。
人の想像力ってスゴイですね。
ここまで作品の隅々まで発想の凄さ、想像力の凄さがギッシリ詰まっていて、しかも幅広い年齢層に楽しめる作品って、他にないと思います。
2回目の札幌公演、スカーが素晴らしかった!
初めて観た後東京公演を数回、そして2011年から始まった前回の札幌公演も数回観ました。
前回の札幌公演は、劇場の舞台装置に関係で、プライドロックが自走式で小さくなっていたり、セリを使う演出が変わっていたり、少し東京公演とは異なる演出がありましたが、基本的に変わらない感動がありました。
特にティモンとプンヴァが北海道弁を話す場面は、お客さんと役者さんとの距離がグンと縮まり、笑いもたくさんあって、東京公演では味わえない楽しさがありました。
今回の札幌公演ですが、前回よりもとても良くなっているように思いました。
まずキャストが前回よりも歌える方で安心して観ることができます。北海道弁も改訂されて、しかも北海道出身のネイティブ(!?)な方が話すのでとても自然です。久しぶりに面白いなぁと感じました。
今回、特にスカーが歌える方でしたので厚みが出てきたように思います。
ティモンやプンヴァのやりとりが、方言も相まって楽しくて面白い分、スカーがしっかりしていないと「善と悪」というか「正と邪」というか、振れ幅が少なくて物足りなくなってしまうのです…前回の札幌公演では、ちょっとこの点が不満でした。
スカーがガッツリ歌ってくれると、彼の野望や意志の強さがよく分かります。でも、その野望がものすごく個人的なミミッチイことなので、ガッツリ歌えば歌うほど、彼の小ささが際立ってしまうという(^^;
でもそこが良くて、スカーがしっかりしていると舞台全体に安定感がありますね。
個人的にラフィキが好み
私はこの作品ではラフィキが一番好きでして。
最初の場面でシンバをお披露目していますが、きっとラフィキはムファサのお披露目にも関わっていたのではないかなと思うのです(想像ですが…)ザズとともにプライドランドの歴史を長く見てきたのではないか。
そう思うと、ラフィキの一言ひとことがとても重く、そしてラストシーンでの喜びや嬉しさが大きく感じられるように思います。
なので、私が一番好きな場面は、成長したシンバの声にラフィキが気づくところ。
声を聞いた後の「…シンバ」という台詞の言い方が、役者さんによっていろいろ違って味わい深い。
また、ムファサの亡霊の後にある「過去とは痛いものだ。でも道は二つしかない。そこから逃げるか、学ぶか。分かるね?」という台詞も好きです。特に最後の「分かるね」の言い方が、役者さんによって微妙に違うんですよね。
観たいと思った時に観よう!
前回の公演からちょっと短い期間で戻ってきたので、正直どうなのかな…と思っていたのですが、かなり質が高いです。
前に観た人も、まだ観ていない人も、おススメです。
「一回観てみたいんだけどね…」という話を良く聞きますが、観たいと思ったら観に行った方が良いと私は思います。
舞台は生もの&出会いのもの。
機会を逃したら、次いつ観られるかわかりません。
特に北海道は、以前劇場がなくなったということもありますので…。
観たいと思う時に、近くに劇場があることがどんなに幸せか。
だからたくさんの人に足を運んでほしいと思うのです。